おやすみプンプンを10年越しに最後まで読了したので感想

七夕の日限定で浅野いにお先生の「おやすみプンプン」が全話公開になってたんで、一気に読み終えました。全13巻とは思えないくらい、内容が濃すぎて数日引きずりそう。

いにお作品は群集劇が本当にすごくって、短編だろうが読後感を支配される感覚が、私の中では今でいう「整う」って感じがして昔から大好き。私は部屋に本をほとんど置いてないけど、いにお先生の短編と市川春子先生の短編はずーっと家においてる。

おやすみプンプンはそんな、いにお先生が初めて手掛けた長編漫画で。6巻までは買ってたんだけど、私はやっぱりいにお先生の短編で「整い」たい人間だったんで、合わないなと思って読むのやめちゃったきりだった。それは市川春子先生のもそう。宝石の国は完結したら読みます。

だから今回全話公開って聞いてから、絶対読みたいって思ってぶっ通しでよんだ。もう夜が明けそう。サーバーダウンで9日まで公開にしてくれて本当にありがとう…

読んだ感想なんだけど、

もう、、、

もう、、、、

整ったーーーーーーーーーーーーーーーー‼‼‼

大事な、大切にしたい言葉が詰まってるから、なんか感想なんて言っちゃうのがチープに感じてしまうくらい好きだった。だからといって、あのとき読んでおけばよかったなあっても思わなくて、大人になってから読むことに意味があったかも。
すごい頭おかしいこと言ってる自覚はあるけど、人間ってある日突然”悟る”日ってくるじゃん・・・?真理に触れるとかなんかそういう感じの。因果がすっとしみ込んでくるというか。
このおやすみプンプンを読みながら、その感覚と答え合わせをしていたような、私はそういう感じだった。完答できたわけではないから、これからも答えを求めて悩み苦しんで生きてくんだけど。
なんとなくこの作品って、「鬱で胸糞だ」って言われがちなんだけど、これは本当に仏教というか、そっち側の宗教が解かってないとニュアンス伝わんない気がする。愛子ちゃんがあまりにも神格化されて、プンプンと愛子ちゃんの恋愛話なのかな??って最初はなるんだけど、読み終わってからは、これはいにお先生の禅問答で、有神論者に対して無神論を諭されてるというか、そういう話だなって思った。

いにお先生20代前半でこの悟りと語彙力手に入れたんすごすぎない…?人生2周目してないとこの悟りRTAできんて…

誰の事が一番共感できたかな~~って思うと、プンプンママかな~~~
「歳をとればとるほど、譲れないものって増えてくから、きっとあたしがあたしである以上、この寂しさが埋まることはないのよね」が深すぎて。それとは全然違うとこでおじさんが「君が君でいるかぎり、この世界は君の物だ」って言ってるのともつながってて、神様ってなんて孤独なんだろうって気持ちになった。ここでいう神様っていうのはつまりそういうことなんだけど。

あと、プンプンは途中で殺人に関わってしまうんだけども、私は少年漫画とかキッズ作品ジャンルにいることが多いので「人を殺したキャラは最後死ぬ」っていう定石みたいなのを刷り込まれてたから「オイオイオイ、死ぬわあいつ」って刃牙に出てくるモブみたいな顔して読んでたんだけど、結局最後は死ぬ事はなかったんだよね。プンプンのおじさんが同じような過ちを犯したときに言われた「罪を背負った人が本当に必要なのは、罰じゃなくて、ゆるされる苦しみじゃないか」っていうのが多分ここにかかって来てて、プンプンをラストあえて殺さないで、ゆるされる苦しみっていうものを課したんだなってわかったときに、すごく、、、青年誌だ・・・って思った。

いにお先生の作品って、突然とんでもない遠景の見開きがくることがあるんだけど、どんなにドラマチックな事があっても、結局これも世界のほんの一部なんだな~って思わされる瞬間がいつも胸がぎゅっとなる。絵で色即是空を表現してるような、そんな感じ。いにお先生ってyoutubeやっててたまに配信みてるんだけど、背景制作にとんでもなくリソースを割いてて、いかにこの表現に命かけてんのかが伝わってくるんだよね。
あと、夜空への”繋がり”みたいな思想が好きで、それは人と人とのつながりだったり、過去と今とのつながりだったり。おやすみプンプンだけじゃなくて、過去の短編でも幾度となく夜空のシーンは一番盛り上がるところで来るんだよね。あれほんとすき。

こっからは普通に腐女子目線の感想なんだけど、男性作家さんが描くブロマンスでしか得られない栄養素ってあるんですよ。女々しくなくて、感情があっさりしてて、(男子ってリアルこういう感じよね)ってなるやつ。
ひかりのまちで出てくるチンピラとフリーターと幼女の話とか、空気感がすごくて、最後はバットエンドだから勧めて回れないのがつらいけど、一生わすれない気がする。

おやすみプンプンの中に出てくる、関君と清水君まじでよすぎた…ここまでブロマンスっぽい話になると思ってなかったよ。。。ここだけスピンオフしてほしい…いや充分されてたわ
清水君のママと清水君、どっちかしか助けられなかったトラック事故で清水君を選んでしまった関くんが、その罪悪感をずっと抱えて、それをかきけすように清水くんと共依存っぽくなってる関係なんだけど、最後は清水くんがこれまでの記憶をなくして終わるんだよね。記憶喪失で記憶が戻らない作品で、こんなにハピエンじゃんって思えることってないかも。過去の出来事からの共依存から離れたところで、それでも繋がってる二人は最高だとおもう。(私の性癖として共依存も大好きなんだけども)

私がいにお作品に出会ったきっかけって、たまたま本屋さんでイケメンが手に取ってるのを見て、あの人の思想が見てみたいと思ってマネして買ったっていう超不純な出会いだったんだけど、あのとき他人の思想に興味を示さなかったら、ずっと読まないままだったかもしれないって思うと、不思議なめぐりあわせだなあって思った。関君は他人が読み終わった本を読み漁って、他人の思想を読み解こうとしながら「何事も人それぞれというひどく窮屈な答えだった」って言ってたけど、私は「考え方は人それぞれだから、いろんな意見があるのはたのしいね、それでいいじゃない」って気持ちだよ。

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